Step into the groove!

及川光博さんの楽曲を語ります。

7. 抱き枕

こんにちは、ヴェルデです。

 

本当は10までは上げたいのですが(曲はもう選んであります)、時間的に厳しいですかね……。(涙)

 

 

さて今回は、もうすぐ最新(ベスト盤除く)じゃなくなるアルバム『BE MY ONE』から、愛のバラードを選ばせていただきます。

※発売日は未定ですが、今春、ニューアルバムがリリースされるようです! やったぁ!

 

抱き枕/及川光博

抱き枕

抱き枕

LINE MUSIC

 

というのも、この曲、前回取り上げました「ラヴソング」の2020年版だって勝手に思っているからです。いや、本当、この2曲には血の繋がりがあると思います。

 

先に音楽的なほうからアプローチしましょう。あ、この曲は及川光博作詞作曲です。

まさかのサンバだった「ラヴソング」とは違って、こちらは王道ピアノバラードです。

1番のサビが終わるまではピアノ以外の一切の楽器は鳴りません。サビの終わりと同時にドラム、ベース、ギターと入ってきてバンド体制になります。ストリングスやグロッケンも鳴ります。スケールが増し、またピアノがリズムを取らなくてよくなった分よく動いてエモーショナルです。

ドラムのゆったり重めなフィルインを筆頭にぐわっと盛り上がる、というのが、2サビ・その後の間奏と2段階訪れ、その間奏ギターソロが終わると、ピアノとストリングスの上にボーカルのみの静かなサビ、所謂“落ちサビ”へ。再びドラムとベースが四分音符でずっしりと盛り上げて、壮大なラスサビにつながっていきます。

そして最後にはまたピアノのみに戻って、落ち着いて静かに終わりを迎える、という構成になっています。

ライブでは最後のピアノの右手の旋律がオクターブ上にアレンジされて*1、また最後はたっぷりと余韻を待って、ミッチーさん自らの手がスネアのシャララ、を引き出して演奏が止まります。

素敵な余韻が充満して、お客さんの拍手が深くお辞儀をするミッチーさんを包む。私の、そしてまたおそらく多くのベイベーさんたちの好きな時間です。

*2

 

さて次に歌詞です。

一緒に歩いて行こう 一緒に生きよう

どのみち 一人では 誰も生きられない

サビ頭です。ここまでは、やはり王道なラブソング、あるいはプロポーズの言葉のようにも見えます。

しかしこの次です。

君が身をゆだねる ソファーになりたい

ぐっすり眠れる 抱き枕になりたい

君が涙を拭く ハンドタオルになりたい

迷子にならぬように カーナビになりたい

上が1番、下は2番です。

お気づきですね……!?

でました、「ラヴソング」と同じ、擬物法です!! ……すみません落ち着きます。

「ラヴソング」では「なる」と言い切っていましたが、この「抱き枕」では少し落ち着いて「なりたい」という願い、いやでもやはり「なりたい(ならせておくれよ)」という強い想いも感じます。

そしてまたチョイスが秀逸です。嫉妬の涙を(以下略)。特にカーナビなんてよく思いつきましたね本当に。

抱き枕というタイトルの意味がサビで明らかになるわけですね。僕の抱き枕にしたいんじゃありません。君の抱き枕になりたいんです。やっぱり、君のことを支えたい、という愛の形、だけれども、今回はそれだけではありません。

オリジナルソングじゃ 気まずくなるから

ひとこと “そばにいてほしい”

2サビの終わりです。

今度こそちゃんと言葉にしました。やっぱり、そばにいてほしいんです。(ちなみに1番では“そばにいるから”なのですが、2番になって自分の願いも吐露している、ということですね。)*3

そして今気づいたのですが、「オリジナルソング」って……! やっぱり「ラヴソング」を意識されているではありませんか。大人になった彼は、歌を届けるのではなく、ひとことだけ想いを告げることにしたようです。嗚呼素敵。

 

また、サビ以外の部分も、セリフを語りかけてくれているみたいな歌詞でして、疲れた心に効く(聴く)即効薬のようなものになっているかと思います。

共通テストの帰り道に聴いたのは忘れられない思い出になりそうです。沁みた……。

 

ちなみにこの曲もやはり最後のサビは1サビと同じ歌詞の繰り返しになっています。私の仮説が正しいと証明される日は来るのでしょうか。なんかの機会に自分で聞いてみればいいじゃない。

 

 

私にしてはあっさり目ですがちょうどいいでしょう。時間もないですし。

書き忘れていたことがあったらそのうちこっそり付け足しておくかもしれません。

 

もう1本くらいはいけるかな……!?

 

ちゃお!

*1:それもどうやらツアー途中からだったようです。

*2:ライブ関連でもうひとつ付け加えるなら、踊ったりしないでじっと座って聴いている分、照明の演出だったりもじっくり味わえるなと感じました。八王子公演、ピンスポがまっすぐ差しているのが光の道のように見えて、儚くも美しくてとっても感動したのを覚えています。いや、このまま天へ連れて行ってしまわないで、と焦った、のほうが正しいかも……。

*3:ちなみにここに関しても、ライブにて、メモによると渋谷公演の1日目、すなわちモラリティーの日(デビュー日)のことですね、本来は“そばにいるから”である最後のサビの歌詞を、“そばにいてほしい”と歌ったではありませんか。これはおそらくはシンプルに歌詞間違いをした、のだろうと推測しますが、しかしこう、切実な本心のように私には思えました。

ミッチーではない彼のそばには、誰かがいるのでしょうか。誰もいないのでしょうか。ひとりで生きているのだとしたら、どんなに切ないことか。……けれども、彼にはベイベーたちがいる、だから大丈夫なんだと公演終盤にひとりでに納得しました。オタク失礼しました。