4. ミス・アバンチュール
こんにちは、ヴェルデです。
大変お久しぶりです。(汗)
前回の記事を書き終えて、またご講評をいただいて、ひとつ思い出したことがあります。
そういえば私、一気に書き上げないとダメなタイプでした。
文芸部で小説を書いていたときも、時間をかけた作品よりも大部分をガーッと仕上げた作品のほうが評判がよかったりしたものです。構想自体は時間をかけて練ったほうがいいんですけどね。忘れっぽいというのもあるかもしれません。とにかく前回の記事はずーっと長いこと下書きに居座っていて、ちまちま書いていたので、内容もブレッブレでいまいち掴みどころのない記事になってしまったのではないかと分析しました。
ということで今回は反省を活かして、コスパのいい記事を書こう! という裏テーマでいきます。裏テーマを最初に言っちゃうな。
そうです、注釈の使い方についても、前回の記事では「ひょっとして重要なことはなるべく本文中に収めるべきなのでは?」と思い立ち、補足的なお話もくだらないオタクの言もどちらも注釈に突っ込んでしまっていたのですが、やっぱりそれはよくないなと思ったので
・そこそこ大事だけど本筋から離れてしまう話を注釈に
・オタクが溢れ出てしまったときは本文中に目立たない形で
書くことに致します。このように。
ちなみに、すでにご存知かとも思いますが、はてなブログの仕様として、色のついている注釈番号をぽちっと押していただくと注釈に飛ぶことができます。飛んだ先でもう一度押すと本文のその箇所に戻ってくることができます。ぜひご活用ください。
さてさて。突然ですが、ミッチーさんの常用フレーズに、こんなものがあります。
「情熱と冷静のあいだ」
今まで、元ネタがあるのだろうけど……と思いながらも調べずに享受していたのですが、軽く検索してみたところ、やっぱりしっかりありました、元ネタ。*1
それはそれとして、なかなか味わい深いフレーズであり、なかなか実現しようとすると難しいことなのではないかと思います。元ネタのコンテクストを配慮しないで捉えてしまっていますが、知らないなりの受け取り方として、我々ブログを書いている人種にとっては少なからず課題になってくるのではないでしょうか。情熱のまま書き付けることこそ、アイデンティティのもととなるけれども、整然としていないとうまく伝わらない、わかってもらえない。カギはバランス力なのでしょうか。私はあの一時期大流行したうねうねするスケボも、靴のかかとにローラーがついてるやつもできなかったので厳しいですね。*2
以上、情熱と冷静のあいだで、良い記事が書けるよう頑張っていきたいと思います、という話でした。
コンパクトにしたいといいつつこってり目の前置きをしてしまいましたが、ライブのMCでもインタビュー記事でも楽曲の歌詞でも、そこにミッチーさんの哲学・美学があって、ふとしたとき、ちょっとしたことから、わたしの生活に浸透してきているんだよ、というようなことがお伝えしたかったのでした。
ということで、本日は、生活の中でふとしたときに元気をくれる曲(私調べ・最近の話)を、できるだけサクッとご紹介したいと思います。
ミス・アバンチュール/及川光博
独特なタイトルですね。
2001年発売のアルバム『聖域~サンクチュアリ~』*3に収録されています。曲順としては後ろから3番目の12曲目で、アルバムの終わりに近づいていく重要なポジションを担っているといえるでしょう。
「アバンチュール」はフランス語で、「冒険」の意から転じて「危険な恋愛、恋の火遊び」を表す言葉として日本では定着している、とのこと。(アバンチュールとは - コトバンクを参照)
「ミス」のほうはいわゆるミスコンと同じことだと解釈すると、つまり、「恋の火遊びをするのにもっともふさわしい女の子(それは君)」ということでしょうか。深みが増してきましたね。*4
もっといろいろ考えがいもありそうなのですが、今回は「生活の中で元気をくれる」というところにスポットを当てたいということで、このあたりにしておきましょう。
それでは、元気をくれるポイント(もうちょっと言い方)を3点ほど挙げますね。
その1、メロディ。
その2、歌詞。
その3、雰囲気。
いや、全部やないかい。
ちょっとだけ細かくいきますね。
まずメロディですが、これは全体的にキャッチーで、特にサビはかなり覚えやすい部類に入るのではないでしょうか。ただ、譜割り(メロディーに対しての歌詞の付け方)は結構繊細で、詰め込まれ気味なので、歌詞を覚えて口ずさむのは意外に難易度が高かったりします。が、鼻歌ベースにふんふん歌いだしちゃうわけです。明るくて、楽しげで、だいぶ動きのあるメロディーなのでこれまたちゃんと音を当てて上手く歌うのは難しいのですが、そんなのはどうでもいいくらい鼻歌の気分にさせてくれます。(個人の感想です)
それを援護射撃しているのが、雰囲気、要は後ろで鳴っている賑やかな音たちです。全体的にSE(効果音)が散りばめられ、大活躍しているのです。サビ前にはDJのスクラッチ的なものが、何ともいえない感覚を味わわせてくれます。1番はすんなりサビに入るのですが、注目は2番以降。少しタメの時間がのびるのです。位置について、よーい、のところで焦らされているような気分に私はなります。その分サビの楽しさ、解放感もアップするというわけですね。また、一番の性癖ポイントは、ラスサビ前の、チェンバロ的な音です。一瞬なのですが結構強い印象を与えているのではないでしょうか。これが最後の盛り上がりに向けて一旦落ち着かせる効果とともに、焦らしをもう1ランク上げているように思います。
有名どころで同じようなことをやっているのは……と考えた結果、ちょっと引き出しが少なくてどうしようもないのですが、嵐の「A・RA・SHI」といったところかなと思い至りました。サビ前に間をつくる、よくある手段なのでしょうか。(そこを調べろ)
そしてやっぱり大事なのが歌詞です。
きっと きっと イケナイことだね
誰かを傷つけて手に入れた
シアワセはすぐに失くなる
そっと そっと君はささやくけれど
シアワセの量に限りはないさ
失うこと 怖れなければ
2番Aメロの歌詞に命懸けてる、みたいなことをご本人仰っていたのですが、ここの歌詞もやはり秀逸といいますか、真理なのではないかなと思います。
……まあ、個人的に、思い当たる節があるわけです。ハイ。
でも、音楽、いやもっとひろく作品とは、そんなもんなんだと思います。私にとって印象的な部分と、あなたの琴線にふれた部分は違うかもしれません。私がスルーした部分をどこかの人が大切に思うこともあるでしょう。だからぜひ一度聴いてみてほしいなと思うのですがそれはそれとして……。
受け取る人の数だけ解釈があり、作品の世界はその分だけ広がっていく、そう考えると、夢がありますよね。
このブログも、またあなたのブログも、読まれるだけふくらむ代物なのです。
雑なまとめですみません、次回はもっと内容練りたいと思います。
結局3500字手直しして3900字も書いてますね。日々精進。
ちゃお!
*1:
『冷静と情熱のあいだ』(れいせいとじょうねつのあいだ、Calmi Cuori Appassionati)は、1999年に出版された辻仁成と江國香織による恋愛小説。またこの小説を原作とし、2001年に公開された日本映画。また、2001年5月25日に発売された、この小説から生まれたアルバム。
(Wikipediaより)
(私の記憶だと)冷静と情熱が逆転しているのは、「情熱」のほうが先んじて話題に上ってきたからでしょうか。
小説も映画もアルバムも、いずれも私(たち)にとってはギリギリ産まれる前の出来事ですし、今回初めて知りました。私は本をぜんぜん読まない人種なので、小説だということすらピンと来ていませんでしたが、江國香織さんという作者にはめちゃくちゃ見覚えがあります。現代文の問題集で解いたからです。『草之丞の話』という作品でしたが、「侍で幽霊の父」とかいうトンデモ設定で、短時間で部分を読んで問題に答える、となるとだいぶ苦戦を強いられました。お話としてはググった限りそんなに難しくはないようなのですが……。ちなみに辻仁成さんのほうも、中退されたようですが一応我らが先輩だそうです。いやあ、さすがに多いですねえ。きっといま同学年にも未来のスターがひそんでいるんだろうなあ。
*2:これとこれです。
*3:裏話としてライブのMCなどで仰っていたのですが、当初レコード会社の東芝EMIと”アルバム3枚契約”だったそうで、初期三部作と呼ばれている(はず)3つのアルバムと、そのあとにベストアルバムが出て、そのまた次の5枚目のアルバムがこの聖域、となっていまして、つまり、3枚で契約終了にならず、出すことができたアルバムなわけです。「必死にやっていた」という3作を経て、著名な方の提供楽曲やカバーも収録したこのアルバムは、視界が開けた1歩だったのかもしれません。というようなことを以前どこかの評で見かけました。どこで見たか思い出せず出典が明記できません。そこまで自分で洞察していたわけではないですごめんなさい。
*4:ちなみに、のちの2008年に発表されたアルバム『RAINBOW-MAN』に収録の「キミハキレイ」という曲では、「厳正なる審査で 選ばれしミス・アバンチュール」という歌詞が登場します。セルフなんとやらですね。ということでやっぱりミスコンで合っていそうですね。